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「貯蓄から投資へ」

という言葉を耳にしたり、目にする機会が増えています。

これは、大切なお金を低金利の預貯金に
眠らせるのではなく、元手として積極的に働かせる努力が必要になってきたということです。

ではどうして今、「投資」が求められているのでしょうか?

預貯金、金融の世界で「貯蓄」と呼ばれるこうしたお金は、かつては高い金利のおかげで「ただ預けているだけ」で殖えていきました。

ところが90年代に、状況は一転。

戦後初のマイナス成長を余儀なくされ、日本銀行はゼロ金利政策を敢行。
低金利時代の幕開けとともに、銀行や郵便局に「ただお金を預けているだけ」では、貯金はなかなか殖えなくなってしまいました。

年金、将来への不安

恒常化する低金利時代に加えて、気にかかるのは将来の「年金」のこと。

日本の年金制度は基本的に、今の現役世代から集めた掛金を今の年金世代に渡すしくみになっています。

ところが日本では「少子高齢化」が急速に進んでいるので、現役世代が減り、年金生活者を支えることが難しくなってきています。
老後の生活費を年金だけに頼るのは難しそうです。
事実、老後の生活について不安を抱える人は、じわじわと増えてきています。

資産運用の考え方

ここで大切なのは、お金を預貯金に眠らせたままにしておくのではなく、そのお金を元手にしてお金を増やす「資産運用」の考え方です。

いわば、自分のお金にも働いてもらおうということです。

資産運用の考え方は「複利」の効果と切り離すことができません。
複利とは、運用の結果の利息分を再び運用に回して利息を得る方式のこと。
逆に、元本にのみ利息がつく方式を「単利」といいます。

たとえば、100万円を年率5%で運用したとします。

すると20年後には、単利で運用した場合には200万円にしかなりませんが、複利では約265万円になります。
単利と複利は運用の年数が長いほど差が広がっていきます。


また、資産運用をする上で欠かせないのが「分散投資」の考え方。

資産をある商品に集中的に投資した場合、その商品の値が大きく下がってしまえば、大きく資産が目減りしてしまいます。

これを防ぐために、資産をいくつかの商品に分けて投資する。それが「分散投資」です。
ただし、分散の効果が得られる複数の銘柄に投資するには大きなまとまったお金が必要になります。

投資信託

「もっと手軽に分散投資をしたい」という方には、投資信託が向いています。

投資信託とは、少額から分散投資を行うことを可能にするために生まれた金融商品です。
大きなお金を用意しないとできなかった分散投資が、投資信託であれば1万円程度から行うことが可能になります。

投資信託は、多くの個人がお金を出し合って、大きな資金のかたまりにして投資を「運用会社」と呼ばれる運用の専門家にまかせる仕組みです。

投資信託に投資をすることで、個人が出すお金は少額でも大きな資金として投資をしたような効果が得られます。

ライフステージに応じた資産運用

資産運用の方法は、個人の年齢や、ライフステージによって異なります。
ここでは、ライフステージに応じた資産運用の考え方をご紹介します。

■ 若い世代

収入はさほど多くない代わりに、自由に使えるお金の割合はかなり高い時期。
これをすべて使い切るのではなく、たとえば結婚や住宅購入などに目を向け、将来に備えた資産作りを心がけることも大切です。
若いうちから運用を始めれば、中長期的な運用も可能となり、ある程度リスクがあっても積極的に値上がり益を狙う投資信託を選択することも可能です。

■ 働き盛りの世代

子供の出産や教育、住宅ローンの返済など支出が多い時期。
資産を効率的に殖やす工夫が大切です。
毎月の支出に追われがちですが、子供の将来や自身の老後のための準備も忘れてはいけません。
安全性を重視して中長期的に着実に殖やしていける投資信託を組み合わせることをお勧めします。

■ セカンドライフが間近な世代

限られた年金収入と貯蓄で、より充実したゆとりあるセカンドライフを送るために、資産を安全に管理していく工夫が大切です。
毎月の必要資金(生活費、趣味・レジャー費など)を把握し、安全性を重視した投資信託を考えてみてはいかがでしょう。

ここまで読んでいただいた皆さんには、資産運用の必要性と、運用に当たっては分散投資の考え方が重要であることなどがご理解いただけたのではないでしょうか。

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