【アドバイザーコラム】株主優待とは?~たかが株主優待、されど株主優待~
たかが株主優待、されど株主優待
個人マネーが「大移動期」を迎えた。
2012年末までに払い戻される資金は約30兆円と言われている。これは家計が保有する金融資産1400兆円の2%に相当する。現在日本は超低金利時代の真っ只中にあり、金融機関に資産を預けてもリスクをとらなければ増やすことはなかなか容易ではない。そこで資産運用のひとつとしてご紹介したいのが株主優待である。
株主優待とは、企業が株主に対して配当の他に製品やサービスを提供するものです。
すべての企業が実施しているわけではありませんが、さまざまな株主優待があり、上場企業の1000社以上が株主優待制度を導入しています。
株主優待の内容は、自社製品をはじめ、割引券や食料品、オリジナルグッズなどがあり、優待品を金額換算し、投資金額で割ると10%の利回りになることもあります。
株主優待をもらうためには、その会社の株を購入し、株主になる必要があります。
株を買えば翌日に優待が自宅に届くというわけではありません。
商品が届けられる平均は大体の企業は決算期後3ヶ月くらいが多いです。3月が決算の会社の場合は6~7月、9月の場合は12月~1月となります。
上場企業の約8割が3月決算と言われています。
株主優待は、現在上場企業のおよそ4社に1社が採用しています。
配当金と企業価値の向上による株価の上昇という株式投資の本筋からすると、オマケのような存在ではありますが、これがなかなか侮れません。というのも、個人投資家にできるだけ安定的・長期的に株主でいてもらおうと、魅力的な株主優待を提供する努力をしている企業が多いからです。株主でなければ入手できないような製品やサービスを提供する企業もあれば、複数の優待品を用意し、株主が自由に選択できるようにしている企業なども増えています。
また、食事券やその他優待券の中には、金額にすれば1万円を超えるものや、配当と併せると5%を超える利回りになる企業などもあり、現在のような低金利時代には利用価値は大きいのではないでしょうか。
食事券やその他優待券の中には、金額にすれば1万円を超えるものや、配当と併せると5%を超える利回りになる企業などもあり、現在のような低金利時代には利用価値は大きいのではないでしょうか。ただし、優待内容がどんなに魅力的であっても、それだけを見て投資をすることは避けましょう。1万円の優待を目当てに、割高な株価水準で買付けて、値下がりしてしまっては本末転倒です。株式投資の基本である、投資先の成長性、収益性、安定性のチェックは必ず行ってください。
では、なぜ企業が株主優待を実施するのかですが
製品・商品・サービスの知名度向上、個人株主を増やすことにより株主数を増加等が理由として考えられますが、現在は多数の会社が株主優待を行いだしたことで、右習えの状態になっているのが実情ではないでしょうか。消費者、株主には嬉しいかぎりです。